相続税の配偶者控除:制度の概要と申告要件
- 2025年03月23日
- 相続税

相続税において、配偶者控除は残された配偶者の生活を守るために設けられた重要な制度です。一定額までの相続財産であれば、配偶者が取得しても相続税がかからないという特例であり、適切に活用することで税負担を大きく軽減できます。本記事では、配偶者控除の仕組みと、その申告に必要な要件について詳しく解説します。
配偶者控除とは
配偶者控除とは、被相続人の配偶者が相続または遺贈によって取得した財産に対して、一定額まで非課税とする制度です。具体的には、次のいずれか多い金額までの相続財産について、相続税がかかりません。
- 配偶者の法定相続分相当額
- 1億6,000万円
たとえ遺産総額が多くても、配偶者がその法定相続分までを取得する限り、その相続分は非課税となります。
控除の適用条件
配偶者控除を受けるためには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 法律上の配偶者であること(内縁関係は対象外)
- 相続税の申告期限(死亡日の翌日から10か月以内)までに遺産分割が完了していること
- 相続税の申告を行い、控除の適用を明記していること
なお、やむを得ない事情で申告期限までに遺産分割が完了しない場合は、申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出することで控除の適用を猶予することができます。
申告に必要な手続きと書類
配偶者控除を受けるには、相続税の申告書を期限内に税務署へ提出する必要があります。控除額が大きく、税額が0円になる場合でも、申告を省略することはできません。
主な必要書類は以下の通りです。
書類名 | 概要 |
---|---|
相続税申告書 | 配偶者控除の適用を記載し、控除額を明示する必要があります。 |
戸籍謄本 | 被相続人および配偶者の関係を証明するために必要です。 |
遺産分割協議書 | 配偶者が取得する財産の内容を明記。相続人全員の署名・押印が必要です。 |
印鑑登録証明書 | 協議書に実印が押されていることを証明します。 |
申告期限後3年以内の分割見込書 | 遺産分割が完了していない場合に必要です。 |
注意すべきポイント
- 内縁関係は控除の対象外です。正式に婚姻している必要があります。
- 申告期限を過ぎると控除が適用できなくなる可能性があります。
- 配偶者控除を過信すると、将来の二次相続時に課税額が増える場合があります。
- 財産の一部が未分割のまま申告すると控除対象から外れるため、注意が必要です。
専門家への相談のすすめ
配偶者控除の適用には、正確な書類作成や期限内の申告が不可欠です。少しのミスでも大きな控除を受け損ねてしまう可能性があります。相続税の申告経験がない場合は、税理士など専門家への相談を検討することで、安心して申告手続きを進めることができます。
配偶者控除は非常に有効な節税手段ですが、正しく理解し、適切な手続きを行うことが大切です。制度を上手に活用し、大切な資産をしっかりと守りましょう。