相続人と法定相続人
相続が発生した場合、相続財産の内容を調査・確認しなくてはなりませんが、もう1つ確認しなくてはならないのが、誰が相続人であるのか、ということです。
相続財産を受け取る人のことを「相続人」といいます。相続人は、亡くなった人(被相続人)との関係で決まります。具体的には、配偶者、子ども、父母、兄弟姉妹などの血縁関係にある人が相続人になる可能性があるのですが、相続人になりえる権利に関する優先順位は民法で定められています。それを「法定相続人」といいます。
相続人の確定は重要
遺産分割などの相続手続きを円滑に進めるためには、誰が相続人であるかをしっかりと把握しておくことは重要です。遺言書や死因贈与契約がなく相続人全員による遺産分割協議がまとまった後に、予測していなかった相続人が現れた場合は手続き等に大変な手間がかかります。想定外のトラブルに巻き込まれることのないよう、相続人の確定は早めに行いましょう。
相続財産の確定
相続財産とは、被相続人(亡くなった方)が所有していた財産のことで、その財産には、預貯金等の現金や、不動産、株式などプラスの財産のほか、借金や返済中のローンなどマイナスの財産も相続財産になります。
プラスの財産は相続人にとって嬉しい財産ですが、マイナスの財産もあるとなれば、それを正確に把握しておく必要があります。相続方法には、単純承認、相続放棄、限定承認がありますが、相続財産を把握しないことにはどの相続方法を選択すればよいのか判断ができません。
どの相続方法を選択するかは相続開始後3ヶ月以内に決定する必要があるため、相続発生後できるだけ早い時期に相続財産の内容について確認しておきましょう。財産には、相続財産、みなし相続財産、祭祀財産の3種類があります。
みなし相続財産とは
被相続人が相続開始時点で持っていた財産ではありませんが、相続税の計算上、相続財産とみなす財産のことを「みなし財産」といいます。具体的には、死亡保険金や死亡退職金などがあり、これらは相続税の課税対象となります。
祭祀財産とは
系譜(家系図など)や仏壇、位牌、墓地やお墓など、祖先の祭祀に関係する財産のことを祭祀財産(さいしざいさん)といいます。祭祀財産は相続財産に含まれないため、相続税はかかりません。