事業承継を行う場合、まず最初にやるべきことは、会社の経営状況や資産状況などを含め、まわりの状況を正確に把握して整理することです。ここでは、一般的な事業承継の流れについてみていきましょう。
事業承継の流れ
現状把握
事業承継を考える場合、会社の経営状況や資金、負債状況だけでなく、現在の経営者の現状も改めて把握しておく必要があります。 把握しておくべき内容としては以下のとおりです。
- 会社の現状(ヒト・モノ・カネ)
- 経営者自身の現状(資産・負債・健康)
- 後継者候補の現状、リストアップ
- 相続に関して対応すべき課題の把握
会社の現状、現在の経営者自身の資産状況や負債状況、健康状態、そして後継者候補の現状を把握した上で、承継方法について考えます。
事業承継の方法および後継者の選定
現状分析とその把握ができたら、誰にどのように事業承継を行うのかを検討します。事業承継の方法は、主に次の3つに分けられます。
- 親族への承継
- 従業員等への承継
- M&A
事業承継計画の立案・作成
事業承継を行なうにあたり、あらゆる状況を把握・考慮したうえで後継者や承継方法を決定し、事業承継の具体的な時期や経営計画などの対策を盛り込んだ、事業承継計画書を作成します。
経営計画の中には、すぐに実行できるものから、中長期的にわたって対策が必要なものまで様々なものがありますし、後継者にスムーズに引き継ぎ、負担を少しでも軽くできるような資金対策や、事業承継にともなう相続税などの節税対策もしっかり行っておく必要があります。
事業承継を行なう際には、会社の財産を後継者が引き継ぐにあたり相続税や贈与税が課税されます。円滑な事業承継のために様々な節税対策や特例措置も実施されていますので、事業承継税制の特例なども積極的に活用されることをおすすめします。
どのような特例をどのように活用するのがベストであるかなどは、その会社の状況や相続時期によっても異なります。納税対策に関する問題については専門家に相談してアドバイスを受けながら、全体的な事業承継計画の立案・計画書の作成を進められることをおすすめします。
事業承継計画の実施
作成した事業承継計画書に従って事業承継を行います。大きなトラブルなく事業をスムーズに引き継ぎ、会社を理想どおりにに存続させるためには事業承継計画の立案・作成だけなく、その先の実施が一番大きなポイントとなるのは言うまでもありません。税務関係、経営面など総合的にしっかりと熟考したうえで計画立案・作成した事業承継計画書に基づき、段階を踏みながら滞りなく実施していくことが必要です。
事業承継は多方面にわたる様々な手続きが必要なため、法律面は弁護士、税金に関わることは税理士・公認会計士、書類作成等は行政書士など、各士業との関わりが不可欠でもあります。中小企業の場合、利用できるはずの特例措置が受けられなかっただけで、会社の存続に関わることもありますので、できるだけ早めに専門家へご相談されることが重要です。
北九州相続税相談センターでは、税理士のほか、弁護士、司法書士、行政書士とも連携しておりますので、節税など税金に関することはもちろんのこと、事業承継に必要な調査から後継者選定のアドバイス、事業承継の計画立案までワンストップで対応しております。事業承継のことで困っている、悩んでいるという場合は、ぜひ一度ご連絡ください。お話をお聞かせいただき、経営者様のご希望に沿った事業承継対策をご提案させていただきます。